乳がんとは、女性の乳房にある乳腺にできる悪性腫瘍のことです。

この悪性腫瘍は初期の段階で発見されれば、その後適切な治療を受けることで完治することができます。

発見が遅れると、悪性腫瘍は乳房の外にまで広がり、血管やリンパ管を広がって全身を侵食し始めます。

乳がんを完治させるには初期の段階で発見することが第一の条件です。

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■ 乳がんに初期症状はない?


【乳がんに見られる症状】

・乳房やわきの下にしこりがある。
・乳房がつる、くぼみがある
・乳頭に湿疹やただれ、分泌物などの異常
・乳房の皮膚に発疹や腫れ、ただれ

これらの症状が主とされていますが、個人により症状はさまざまです。

また、乳がんは初期症状がまったくない、極僅かな症状のため気づけないことが多いようです。
初期の段階で発見することが何よりも大切な病ですから、定期的な乳がん検診が必要となります。


■ 検診ではどんなことをするの?


乳がん検診ではどんな検査をするのか、初めて検査に行く方は不安になると思います。
検査内容をあらかじめ知っておくと、心構えができて不安感も薄れるでしょう。

【国の指針で指定されている検査】

・問診

現在患っている病気や、過去の病歴、家族の病歴などを記入していきます。
医師はこれを参考に検査するため、正直に書くようにしましょう。
また、気になることがあれば自己判断はせずに、備考欄に書くようにしましょう。

・乳房X線(マンモグラフィー)

マンモグラフィーとは、乳房専用のレントゲン検査を行う医療装置です。
乳がんの初期症状で見つけられないとされている、がんになる前の極僅かなしこりなどを判別することができます。
装置では板で乳房をはさみ、伸ばした状態で撮影されます。
この時に若干の痛みが伴う場合があります。
左右、上下、斜めをそれぞれ繰り返しますが、検診によっては斜め方向のみ撮影が行われる場合があるようです。
放射線技師が撮影を行うので、危険なことは一切ありません。
マンモグラフィー検査は、乳がんの早期発見には欠かせない検査です。


【それ以外の検査】

・視触診

医師が直接目視で、乳房の引きつれ・くぼみの有無を確認します。
その後触診となり、手でしこりの有無やリンパ管の腫れ、乳頭からの分泌物の有無を診察します。

・超音波エコー検査

超音波を使った、乳房の内部を白黒の画像で確認できる検査です。
30歳未満の女性は乳腺が活発なため、マンモグラフィ検査では乳房全体が白く写し出され判断が難しいとされています。
このため、30歳未満の女性は超音波エコーによる検査がメインとなります。
ですが、これらの選択には個人差もありますので、医師と相談する必要があります。

・CT・MRI検査

CTもMRIもそれぞれ、人体を輪切りにして検査をする装置です。
腫瘍の広がりや、正確ながんの位置を把握するために行われる検査です。



■ 乳がん検診にかかる費用や実施している場所は?


【費用について】

・40歳未満の女性の場合

一般的な乳がん検診では、問診・触診・マンモグラフィーがセットとなっている場合がほとんどですが、病因の方針によっては追加する検査で費用は異なります。
40歳未満の女性であれば、自治体による費用負担はほとんどありません。
よって、全額自己負担となる場合が多いでしょう。
また、加入している企業の健康保険組合の制度によっては、一部補助してもらえる場合があります。

※全額自己負担の場合
マンモグラフィ検査 5,000円前後
超音波エコー検査 3,500円前後
両方 10,000円前後

プラス医師の診察代などがかかりますので、合計で約15,000円〜20,000円の負担となります。

・40歳以上の女性の場合

40歳以上の女性を対象に、自治体による検診が2年に1度実施されています。
それを利用するのであれば0円〜3,000円前後の負担で検診を受けることが可能です。

いずれの場合も、症状がある場合の検診では3割負担となり、症状がまったくない場合の検診では保険は適応されません。
自治体や健康保険組合、通っている医療機関にお問い合わせくださるとより詳しく確認することができます。



■ 乳がん検診にあたって注意すべきこと


以下に該当する方は検診を受けることができませんので注意が必要です。

・妊娠中や妊娠の可能性のある方
・豊胸手術で、脂肪やシリコン、シリコンバックなどを入れている方
・ペースメーカーを入れている方
・現在、乳腺に関わる治療または経過観察を受けている方は、その医療機関で検査をするようにしましょう。
・授乳中の方は乳房にかかる負担を考え、超音波エコー検査をお勧めします。
・ネックレス、イヤリング、ピアス等のアクセサリーは外すようにしましょう。
・銀イオンパウダーなどの制汗剤が写真に写る場合もあります。使用は控えましょう。



■ まとめ


日本での乳がん罹患率は上昇の傾向にあり、罹患した3人のうち1人が命を落としているという現状があります。

年齢層であれば、45歳がピークといわれており、まだまだ年若く働き盛りの年齢層ですね。

小さな子供や年老いた両親を抱えた中間の年齢層であることから、乳がんが与える影響がいかに大きいかがお分かりいただけると思います。

まさか自分が、と思いがちですが、万が一の場合は避けられません。
乳がん検診を定期的に受診し、早期発見、早期治療に繋げましょう。

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