数種類ある子宮がんの中でも、若い女性にかかりやすいとされている「子宮頸がん」
何故若い女性に多いのか気になるところだと思います。

今回は子宮頸がんにスポットを当て、その原因や症状、予防などを解説していきます。

是非、最後までお読み下さいね。

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■ 子宮頸がんとは?

・ 子宮頸がんとはどんな病気なのか

女性の子宮は卵大の大きさで、とっくりと逆さにしたような形をしていることは有名ですね。

子宮の上部を「子宮体部」、体部から膣まで続く細長い下部のことを「子宮頚部」と呼び、大きく分けると体部と頚部の2つで構成されています。

胎児を育てる役割を担っているのは子宮体部で、子宮体部の上方には卵管から卵を受け入れるための穴が左右に開いています。

子宮頚部とは、その胎児を10ヶ月間保持していくという、大切な役割を持っている器官です。
「子宮頸がん」とは、この子宮頚部の粘膜からできるがんのことを指すのです。

■ 子宮頸がんの段階による症状とは?

・初期症状

初期の頃の症状はほとんどないとされています。
性交痛もありません。
初期症状では、おりものの変化や不正出血があるとされていますが、普段の生活でもストレスや疲れなどで変化が見られるため子宮頸がんとは判別しにくいでしょう。

・初期症状を見逃してしまうと

子宮頸がんが進行すると、不正出血やおりもの、性交時の出血の量が増え、生理日が遅れるなどの症状があります。
ですがこの段階でも、生理日の前後は日常によくあることですので、子宮頸がんとは気づかないまま婦人科を受診しない女性が多いようです。
受診したとしても、子宮がん検診を受けなければ見逃してまう恐れもあるでしょう。

・さらに進行した場合の下腹部痛

さらに子宮頸がんが進行し、他の器官に転移してしまった場合、ここで漸く自覚できる症状「下腹部痛」が現れます。
また、足腰の痛みや、尿に血が混じることもあるようです。
人によっては、激しい痛み襲われることも。
しかし、この段階で発見されても、他の器官にがんが転移している可能性が非常に高いため、治療は大変困難となるでしょう。
放射線療法と抗がん剤治療が行われますが、治療が完了したところで、再発や転移などが見られます。
命に関わる可能性も非常に高いと言える段階です。

■ 子宮頸がんはウイルスの感染が原因

・子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染

ヒトパピローマウイルスとは皮膚や粘膜に感染するウイスルです。
100以上種類があるうち、15種類が子宮頸がんの患者から検出されており、「高リスク型HPV」と呼ばれています。
高リスク型HPVは性行為によって感染するようです。

ヒトパピローマウイルスは健康な女性でも10~20%の女性が感染していると言われています。
海外では性経験のある女性の50~80%が、生涯で1回以上感染するという報告があるようです。

このように、子宮頸がんの原因になるヒトパピローマウイスルは、日常的に私たちのまわりに存在しているのです。

・HPVは自然排出される

ですがこのヒトパピローマウイルス、感染しても90%が2年以内に体内に備わっている免疫力で自然排出されます。
何らかの原因で免疫機能が働かず、ウイルスが排出されないまま数年~数十年にわたり保持してしまった場合、がんになる確立が高いことが報告されているようです。

・遺伝や生活習慣が原因になることは?

子宮頸がんはヒトパピローマウイスルの感染が原因のため、遺伝が原因で起こる病気ではありません。
原因になるとすれば生活習慣ですが、以下に当てはまる人は免疫力の低下などで感染するリスクが大きいといえます。

1.妊娠・出産の回数が多い
2.性交相手が多い
3.喫煙歴がある
4.免疫抑制剤などで免疫が下がっている

■ 日本における子宮頸がんの罹患率と死亡率

日本における子宮頸がんの罹患率は、20代・30代が一番多いとされ、40代から減少の傾向にあります。

若い女性に罹患者が多い原因として「性交が多いから」という理由をあげる人もいますがこれは否定されています。

第一の原因は、若い女性は子宮がん検診を受けない人が多いためです。
子宮頚部の細胞ががん細胞となるまで5〜10年以上かかるといわれています。

そのため、定期検診を受け、初期の段階で見つけることができれば完治できるがんなのです。

また、2014年の調査データでは、6429人が子宮がんで命を落としています。

■ 子宮頸がん検診やワクチンでの予防

20歳以上の女性は、2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。
子宮頸部は比較的外界に近いため、膣から直接細胞を採取して、子宮頸部細胞診を行うことができます。
詳細については、お住まいの市区町村や、産婦人科にお問い合わせください。

・子宮がんには種類がある

一言で「子宮がん検診」と言っても、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、子宮内膜ガン…。
それぞれ検査方法も異なるため、検査前に確認しておく必要がありますね。
検査の内容については、産婦人科に確認してから行うようにしましょう。

■まとめ

子宮頸がんは、定期検診で十分に予防できる病です。

初期の段階であれば、レーザーで悪性部分を切除して日帰りで退院したという人もいるほどです。

職場などの健康診断を利用して、子宮がん検診をオプションにつけるなど、身近に受診できる機会がある人は忘れずに受診するようにしましょう。

また、市町村から送られてくる「がん検診無料クーポン」もありますので、送付されていない場合はお住まいのがん検診担当窓口にお問い合わせしましょう。

自分に関係ない病とは決して思わず、定期検診に行くことを強くおすすめします。

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