ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とはそもそもどんな細菌でしょう。

ピロリ菌は胃の粘膜に生息している細菌で、らせん形に捻じ曲がっている細菌です。

胃には胃酸という強い酸があるため、昔から細菌は生息できないと考えられていました。

ですが現代となり、胃炎や胃潰瘍など、胃の病気に深い関わりがあることが明らかにされてきたのです。

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ピロリ菌にはどんなリスクがあるのか

ピロリ菌といえば胃がんが挙げられます。

WHO(世界保健機関)はピロリ菌を「確実な発がん因子」と認定しています。

ピロリ菌が長期間にわたり胃に生息していると、胃の粘膜が薄くなってしまう「萎縮」が進行し、胃がんを引き起こしやすい環境を作ります。

また、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが原因で引き起こされる胃がんでは、ほとんどがピロリ菌に感染していたという国の調査結果があります。

どのようにして感染するのか

ピロリ菌の感染経路は、まだはっきり解明されていません。

最近の研究から、口から入った場合の感染は避けられないようです。

ですが、現代の日本の上下水道は完備されているため、生水を飲むことでピロリ菌に感染する可能性はないと考えられています。

また、成人してからの日常生活・食生活において、ピロリ菌の感染は起こらないと考えられます。

ピロリ菌は、そのほとんどが幼児期に感染すると言われています。

幼児の胃の中は酸性が弱いため、ピロリ菌が生息しやすい環境にあるためです。

最近では母子感染などの家庭内感染が考えられていますので、ピロリ菌に感染している大人から子どもへの口移しなどは避けた方が無難でしょう。

【予防はできるのか】
ピロリ菌は感染経路も明確ではないため、予防は不可能といわれています。
特に現代の衛生的な日本の環境では、さほど注意する必要もないと考えられています。

上下水の設備が行き届いていない海外旅行などであれば、生水は口にしないなどの注意をした方が良いでしょう。

また、下記の動画に詳しい医師の説明があります。

ピロリ菌検査の費用、内容は?


【ピロリ菌検査は全額自己負担】

ピロリ菌の検査をしたい場合、それだけでは保険適用にはなりません。全額自己負担です。

ですがピロリ菌が見つかった場合、その除菌療法には保険が適応されます。
内視鏡検査で胃炎が確認されたり、ピロリ菌検査で感染が確認された場合です。

【ピロリ菌検査の内容と費用】

ピロリ菌の検査には「尿素呼気法」が用いられます。

ピロリ菌が持つ酵素が胃の中の尿素を分解し、アンモニアと二酸化炭素を生成します。
アンモニアと二酸化炭素はすぐに吸収され、血液から肺に移行していき、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。

この原理を利用して、検査薬を服用し、呼気を検査する方法です。

採取には痛みもなく、その場ですぐに感染の有無の結果が出ます。

ピロリ菌検査に必要な費用はおおよそ5,800円です。

加えて初診料などもかかりますので、合計1万円ほど見ておけば足りなくなることはありません。

尚、検査の方法や医療機関によって費用は変わりますので、詳しくは医療機関にお問い合わせするか、ホームページをご覧になって下さい。

また、内視鏡を使い胃の粘膜を一部切除する検査法がありますが、検査法が異なる場合費用が変わってきます。

その症状によって異なるため、詳しくは専門医にご相談下さい。

【検査は何科で受けられるのか】

内科でも取り扱っている病院はありますが、できれば「胃腸科」か「消火器内科」が良いでしょう。

除菌療法とは


ピロリ菌の除菌療法は、「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」を服用します。

1日2回服用し、7日間続ける治療法です。

正しく薬を服用すれば除去成功率は約90%といわれています。

ピロリ菌を除菌した後、胃炎などの元々あった病気の治療を行いますが、除菌療法の前に病気の治療を行う場合もあります。

また、処方された薬は正しく服用することがより重要となります。

たまたま症状が治まったから途中で薬の服用をやめてしまうと、薬が効きにくくなる強いピロリ菌(耐性菌)が生まれる場合があるためです。

すべての治療が終了した後も注意が必要です。

4週間以上経過してからのピロリ菌検査は必ず受け、結果を確認する必要があります。
二次除菌療法になった場合の間、アルコールは控えます。

ピロリ菌のリスクと検査や除菌方法のまとめ


胃がんを始め、胃に関係する病気を引き起こす原因がピロリ菌であるなら、その検査は早めに行っておいた方がベターと言えます。

原因不明の腹痛で専門医にかかれば、保険適応内でピロリ菌の検査を受けることができます。

身に覚えのある方は是非専門医に相談し、診察を受け、不安要素を取り払ってしまいましょう。

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