職場の飲み会は大事なコミュニケーションの場です。
とはいえ、ふだんあまり付き合いのない同僚や、こわい上司や先輩と席を同じにすると思うと、緊張感が前面に出がち。
でも大丈夫。最低限押さえておかなければならないポイントを知っていれば、当日は楽しいコミュニケーションの機会となります。
ポイントは、「お店に行くまでの注意点」、「若手社員は『下座』に座る」、「お酒ごとの注ぎ方の特徴」、「会話に困ったら目に見えるものを話題にする」、「支払時や翌日も配慮を効かせる」などです。
では、順番にみていきましょう。
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来店前に勝負ははじまっている!?
若手社員の飲み会における上司・先輩への配慮はお店に向かう時からはじまっています。みんなで店に向かう場合は、上司や先輩のうしろから付いて行き、お店に入る時もいちばん最後です。
会場で集合の場合は、逆に待ち合わせ時間より早めに到着するようにしますが、上司・先輩が未着の場合は、外で待ちます。
目に見える上下関係―宴会の席順
人が集まる場所には、必ず「上座」と「下座」があり、上下関係に沿って、上座から下座へと順番に座ります。テーブル席の場合は、出入り口からいちばん遠い奥が上座で、ここにいちばん偉い人が座ります。その次は、通路から見て右側に二番めの人が座り、左側に三番めが座りと順番に着席し、入口にもっとも近い席が下座となるので、若手社員はここに座って注文とり等を引き受けましょう。
座敷の場合も、もっとも遠い奥の席が上座。その上座を中心に右隣が二番め、左隣りが三番めとなります。床の間のある部屋では、床の間の前が上座となります。
動画【新社会人】新年会・飲み会で使える、マナー講座前編【飲み会マナー】
お酒の飲み方、注ぎ方―スマートに、おいしく
宴会のスタート時、目上の人と乾杯する時は、相手よりグラスを上にしないようにします。乾杯の挨拶が終わっても、先輩や上司が料理に手をつける前に、若手は食べ始めないように。グラスや盃が空になっている人に気づいたら、「おつぎしましょう」、「何を飲まれますか」と自分から声をかけましょう。お酒に弱い人や体調の悪い人に対しては、それなりの配慮をします。
ビールは、瓶の真ん中あたりを右手で持ち、左手を軽く添えます。瓶のラベルと手の甲が上になるように注ぎます。足りなくなって継ぎ足すのはカッコ悪いので、相手のグラスをいっぱいにできる量が残っている瓶をみつけましょう
日本酒は、銚子の中ほどを持ち、片手で注ぎます。女性は左手を軽く添えましょう。注ぎ口のないお銚子は、絵模様のある方が正面なので、模様を上にします。
お酒は盃になみなみといっぱい注ぐと飲みづらいので、八分めくらいを目安に。
焼酎は、お湯割りの場合、まずお湯を入れてから、焼酎を入れます。そのほうがグラスの中で対流が起こってよく混ざり合い、おいしいお湯割りが出来ます。目安は焼酎6、お湯4ですが、好みの濃さを確認しましょう。
ワインを注ぐ時も、ラベルが上になるようにボトルを持ち、グラスの3分の1まで注ぎます。受け手は、ほかのお酒と違って、ワインに手肌の温度が伝わらぬよう、グラスはテーブルに置いたままで。飲む時もグラスの脚を持ちます。
どんなお酒でも、お酌を受ける時は、グラスを飲みほして受けるのが基本です(これ以上飲めない時は、そう伝えて、飲み干さなくてもかまいません)。グラスは片手で持ち、空いている片方の手を底に添えます。
注いでもらったら「ありがとうございます」と感謝を述べて、口をつけます。注いでもらいっぱなしではなく、必ず一回は、お酒を口にふくみましょう。
断る場合は、グラスの上に手を差し出し、「すみませんが、結構です」とひと言加えます。頑な態度ではなく、くれぐれも明るく柔らかい表情で対応します。
動画【新社会人】新年会・飲み会で使える、マナー講座後編【飲み会マナー】
宴席での会話―上司や同僚とどんなことを話せばいい?
宴会は言わば、飲み食いするだけでなく、会話を楽しむ場です。リラックスするために、わざわざふだんとは異なるシチュエーションを設定するわけですから、仕事の話はほどほどにしましょう。あたりさわりのないプライベートな話題がいちばんですが、話題に困った時は、その場で目に見えるもの―お酒や料理を話題にして「ふだんはなにを飲まれますか?」「好き嫌いはありますか?」など聞くのも効果的です。
天候や趣味、ニュース、旅のほか、ファッション、グルメ、住まいなど衣食住に関することも話がつながりやすいです。その際、自分ばかりしゃべるのも興ざめなので、相手への質問で会話が終わるようにするとバランスがよいでしょう。
飲み会がお開きになっても勝負!―支払いの時や飲み会の翌日
会費が決まっている時以外、支払はいろいろなパターンが想定されます。割り勘の時は、上司や先輩が出してくれることも多いでしょうが、幹事さんやとりまとめている方のそばでお財布を取りだし、「おいくらでしょう?」と、一度支払う姿勢を見せることは大切です。翌日は必ず「先日はありがとうございました」「楽しかったです」と挨拶を忘れずに。たったひと言ですが、特に年長者への印象がよくなります。
このほか、飲み会・歓送迎会で注意したいこと
目上の人から「無礼講」と言われても、その言葉をまともに受け取ってはいけません。リラックスして楽しんでくれ、という意味であって、大騒ぎをしたり、飲み過ぎていいということではありません。お酒が飲めない人は、その場を白けさせないのもマナー。お酒を注いだり、会話で積極的に盛り上げましょう。会話下手な人は、うなづくだけでも違います。相手の言葉を楽しんでいれば「なるほど!」「凄い!」と合いの手の言葉も自然と出るでしょう。
まとめ
飲み会の席で心がけなければいけないことは、日頃お世話になったり、指導してもらっている上司や先輩に、いかに配慮できるかです。お互いが明るく楽しいひと時を過ごせれば、仕事におけるあなたの評価もぐっとあがるはず。せっかくの機会ですから、ふだん接することの少ない他の部署の上司や同僚とも、積極的にコミュニケーションをとりましょう。社内の人脈も広がり、仕事がやりやすくなります。さあ、とびきりの笑顔で参加しましょう。
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