愛を育んだ二人に結婚の決意が固まったら、次にしなければならないのは、互いの両親への結婚の挨拶―親子関係がフランクになった現代でも、両親への結婚の挨拶は、愛し合う二人が、互いの親に対して、誠意と覚悟を伝える一大儀式です。
その手順と必要な準備について、見ていきましょう。
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結婚挨拶に向けてしなければならないこと
―互いの両親を気遣う
プロポーズを済まし、互いに自分の両親に結婚の意志を伝えたら、双方の両親に挨拶に伺います。その際、女性側が男性の両親に挨拶するより、男性が女性側の両親に挨拶することを優先させます。
日程は2~3週間くらい余裕をみて、必ず両親の希望を聞きましょう。先方から時間指定がない場合、食事の気遣いをしなくて済む14時くらいを設定します。
前もって互いの両親の出身地、性格、趣味、好きな食べ物、最近興味をもっていることなどを聞いておくと、挨拶に伺った際の会話に役立ちます。
逆に、ご両親からも将来について聞かれるでしょうから、結婚式の時期や会場、結婚後の住まい、転勤の可能性や経済的なプランを含めた長期的な人生設計等、よく話し合っておきましょう。
両親への挨拶のためだけでなく、結婚する二人にとっても、話し合っておかなければならない重要なことです。
ちなみに、子どもについてはデリケートな問題なので、挨拶の段階では、ふれなくてもいいでしょう。
事前の用意
―服装・身だしなみ、手土産など女性の身だしなみは、清楚な印象を大切に。ナチュラルメイクでスーツまたはワンピース、足元は素足ではなくストッキング、靴はパンプス。
ネイルは塗らないか、派手でないものが望ましいです。
男性はスーツやジャケット。ビジネススーツでもOK。
2~3日前にヘアカットを済ませ、当日は整髪料で髪を整え、髭を剃ります。靴も磨きます。
特に靴下の穴には注意!新品であれば確実です。ハンカチはアイロンをかけた清潔なものを用意しましょう。
手土産の予算は3,000円前後。時間を設けてくれることへの御礼であり、当日の雰囲気を左右する大切なアイテムになるので、訪問先の近くで購入するのではなく、事前に用意しましょう。
相手がお酒好きであればお酒でもいいですし、自分の地元の名物などを取り寄せてもいいでしょう。
彼女の両親に挨拶 マナーの最低限
結婚挨拶当日の流れ①
―訪問してからお部屋に通されるまで訪問時間は2時間前後、長くても3時間以内を心がけます。
遅刻は厳禁なので、5分前行動ですが、実際にお宅に伺うのは、先方に忙しい思いをさせぬよう、約束の時間より2~3分遅れくらいがちょうどいいです。
コートは玄関に入る前に脱ぎ、携帯やスマホの電源を切るのを忘れないように。
玄関では「○○と申します。本日はお忙しいところお時間をとっていただきありがとうございます」と軽く挨拶をします。
先方に「おあがりください」と言われてはじめてお宅にあがります。
靴は正面を向いたまま脱ぎ、お尻を相手に向けずに靴の向きをかえ、玄関の隅に揃えます。
お部屋に通されたら「こちらにどうぞ」と言われてから座ります。
和室なら床の間からいちばん遠い席、和室なら出入り口のドアにいちばん近い席が「下座」にあたるので、そちらに座らせていただきます。
結婚挨拶当日の流れ②
―部屋での歓談から結婚の挨拶までお部屋に通され、全員がそろったら「○○と申します。本日は、わざわざお時間をお作りいただきましてありがとうございます」とあらためて挨拶をします。
挨拶が済んだら、手土産を渡します。「おいしいと評判なので」「お好きと伺いましたので」「今話題になっています」などひと言加えますが、せっかく選んだ一品なので「つまらないものですが」とは言わないようにしましょう。
お茶やお菓子を出されるので、しばしの歓談を。
天気の話などから入るのもいいですし、二人で協力して会話を進めるようにします。
話がはずみやすいのは、趣味や家族のこと、相手の幼いころの話、スポーツやペットの話題などです。
宗教や自慢話、不要なお世辞やギャグは避けましょう。
2,3の話題が出て、途切れたあたり、時間にして30分くらいをめどに、いよいよ結婚の挨拶をします。
結婚挨拶当日の流れ③
―誠意と覚悟を表す結婚の挨拶きちんと座り直し、座布団なら一度離れて頭を下げるます。相手のご両親の目を見て「○○さんには先日プロポーズをお受けいただきました。私自身はまだまだ未熟者ですが、ふたりで協力して幸せな家庭を築くつもりです。○○さんと結婚させてください」としっかり伝えます。
たとえ、すでに面識があったとしても、これはけじめ、儀式ですから、あらたまってきちんと挨拶をすることが重要です。
男性がなかなか切り出せない時は、女性が「今日は○○さんから大事なお話があるようです」と助け船を出してあげましょう。
結婚挨拶当日の流れ④
―挨拶後の歓談から帰るまで挨拶が済んだらさっさと帰るのではなく、しばらく和やかに歓談を。この時、ご両親からあなたの経歴や仕事、将来設計について聞かれる可能性もあるので、十分に頭の中でまとめておきましょう。
万が一、反対された場合は「なぜですか?」と詰め寄らず、この時は「またあらためてお話をさせてください」と引き下がるほうがいいです。
きりがよくなったら「そろそろ失礼します」と立ち上がり、コートは手に持ったまま玄関でお礼の言葉を述べます。ご両親からコートを着ることすすめられたら「ありがとうございます」と一言添えて着ます。長居はしないようにします。
2~3日後、相手の両親にお礼状を送ります。たとえ下手な字でも、直筆で、心をこめて書くことで、相手にさらなる誠意と覚悟が伝わります。
まとめ
ご両親への結婚のご挨拶、これはけしてゴールではなく、これからお二人とその親族がひとつの家族になるスタートです。ご両親はあなたの愛する人を生み、育んだ大切な人。
その人たちと家族になると思えば、相手のことをもっと知りたいと思うし、自分のことももっと知ってほしいと思うはず。
その気持ちと、二人の愛情を育てていく決意があれば、その思いは、きっとご両親に届くでしょう。
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