日常生活をしていてもなんとなく、他人とのコミュニケーションがうまくいかないー場の空気が読めなかったり、人の会話に割り込んでしまったり、落ち着きがなかったり・・・。それはもしかしたら、「発達障害」かもしれません。

「発達障害」は親の育て方などではなく、医学的には先天的な脳機能障害の一種です。すでに低年齢で生じていても、大人になってからその存在に気づくことも少なくありません。

「要領が悪い」、「努力が足りない」と思われがちなこともありますが、適切な支援で症状を緩和することも可能。

得意なこと・不得意なことをよく理解すれば、個性的な自分の力を最大限に発揮することもできます。

そんな大人の発達障害について、その特徴と確かめ方についてご紹介します。

スポンサードリンク




発達障害① ASD=自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群

空気を読んだり、相手の気持ちを察したりすることが苦手です。

他者の言っていることを即座に理解したり、自分の考えや思いをわかりやすく伝えることも不得手といった社会性やコミュニケーション能力に障害があります。

また、ほかの人や大勢の中でうまく関われないので、自分のペースを押し付けがちですが、不得手な人づきあいの中で、逆に自分の存在を消してしまったり、うまく関われないことを感じないようにすることもあります。

音やにおい、さわった感触や痛みなどの感覚に秀でているかと思ったら、逆に鈍感だったり。

こだわりが強く、偏食や同じ服を長期間着続けるということもあります。

「自閉」とありますが、閉じこもるという意味ではなく、この場合の「自閉」は「自分目線」を意味し、そういったこだわりが、特定の仕事などでは生かされることもあります。



発達障害② ADHD=注意欠如多動性障害

俗にいう「おっちょこちょい」や「落ち着きがない」があてはまります。

集中力や注意力が散漫で、じっとしていることが不得手。思い付きで行動したり、うっかりミスが多かったりします。

一方的にしゃべりまくったり、よく考えずに行動に移したり、物理的に身体や手がよく動く「多動/衝動性優勢型」と、忘れ物が多かったり、片付けが苦手だったり、遅刻が多いといった「不注意優勢型」があります。

「不注意優勢型」には、逆に不注意な「注意」が止められなかったり、注意力をうまくコントロールできないケースもあります。「多動/衝動性優勢型」に比べて年齢に影響されにくいので、大人のADHDにはこの「不注意優勢型」が多くみられます。

規制の枠にとらわれず、奇抜な発想をすることが、問題となる場合もあれば、ユニークな存在と認識されることもあります。このADHDの場合、注意維持の低下を防ぐ「治療薬」が、学童期から大人まで適用されています。


LD=学習障害

言葉に関しては、特に仕事の場面で、頭でわかっていても言葉にしずらいことがあります。

電話や接客などで適切な言葉がすぐに出せなくて、段取りが遅く、やる気がないと誤解されるケースが多くなります。

文字を書いたり、文章をまとめることが、不得手だったり、数の概念や数学的な組み立てが苦手な場合もあります。

一方、不得意な分野を必要としない職業を選んだり、作業に時間がかかることを周囲が待つことさえできれば、その実力を発揮できることもあります。

パソコンやスマホの活用も大きなサポートになります。




大人になってから発達障害に気づくきっかけ


発達障害は、後天的に突然発症するわけではなく、先天的な要因が大きいですが、子どもの頃は、努力で苦手分野を乗り切ったり、周囲のサポートを受けたり、「個性的」という表現でほほえましく見守られている場合もあります。

これがひとたび、社会人になると、ただの苦手では済まされなくなり、明らかに目立ったり、トラブルが起きることではじめて、「発達障害」を疑うことになります。

たとえば下記のような出来事がきっかけとなります。

空気が読めない 
会話をしていても、思ったことをすぐ口にしてしまったり、遠回りに言われるとなにを言われているのかわからなかったりする。話を端的にまとめることも苦手で、長くなりがち。

初めての場所や人、動きにとても緊張する 
生まれて初めて訪れる場所や、初めて体験すること、初めて会う人に過剰に緊張する。
軽いパニックを起こすこともある。急な予定の変更も苦手で、環境が変わると慣れるまでに時間がかかる。

同時に行うことが苦手 
同時にいくつかのことをやらなければならなくなると、どこからはじめていいのか、混乱する。中途から新しい指示が加わることも苦手で、行動自体が止まってしまうこともある。

このほか、「話をするのが好きだが一方的になりがち」、「わからないことがあっても人に聞かず、勝手に判断する」、「時間が守れない」、「きれやすい」といった行動で、人間付き合いや仕事に支障をきたす場合があります。


簡単な自己判断サイトの活用

自分の不注意やこだわりが、なんとなく人間関係や仕事の取り組みに影響を与えていると感じた時は、自己判断サイトを活用してみましょう。得意な部分と不得意な部分があるということも発達障害の特徴のひとつです。

自己診断@千正.com―エイメン・クリニック式ADD分類チェックリスト
http://ex.senmasa.com/add/

大人(成人)発達障害ブログー全国の病院(大人成人発達障害診断)
http://tokyo.asdj.org/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E7%97%85%E9%99%A2%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%A8%BA%E6%96%AD%E5%A4%A7%E4%BA%BA%E6%88%90%E4%BA%BA/

kaien―大人の発達障害 チェックリスト
http://www.kaien-lab.com/aboutdd/check/


大人の発達障害 まとめ


「発達障害」は、子どもの頃や学生時代は、「個性的だね」で済まされていても、社会に出てから急に、本人が生きずらさを感じる場合もあります。

心当たりのある場合、チェックリストを参考に、一度受診するのもひとつの方法です。

発達障害をもっている人は、ある部分は生きずらいかもしれませんが、仕事や環境、またまわりのサポートによっては、その人にしかできない能力を発揮する可能性もあります。

まずは自分自身を知り、周囲の理解を求めるようにしましょう。

スポンサードリンク