一瞬でYESを引き出す心理戦略。 [ メンタリストDaiGo ] |
ずばり、ビジネスに関わる、あるいは人間関係を良くしたいと考えている全ての人に読んでもらいたい一冊です。周りの身近な人全員が本書に書いていある内容を実践すればかなり円滑で相互尊敬のある人間関係を築けるのではないかと感じます。
メンタリストDaiGo氏といえば、テレビのパフォーマンスで有名ですね。
そのイメージからか、私個人的には本書の本分を読むまでは「人の心を操るテクニック」について書かれているものと思っていました。
ところが、それはメンタリズムの一面にしかすぎず、本書にはもっと本質的で「いかにして相手の心に寄り添い、相手と良い関係を築いていくか」についての理論と具体的な実践方法が本書には書かれてありました。
前書きの著者の言葉を借りると「相手の心の内も推し量らず、相手の反応も見ず、ただやみくもにコミュニケーションを押し付ける。これこそ独りよがりであり、不誠実なことです。」ということです。
具体的な技術が満載ですのでこれからの時代を生きる、人間関係を良くしていきたいと考えている人は是非読んでほしい一冊です。
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「一瞬でYESを引き出す心理戦略」の醍醐味・私のオススメの使い方
本書の醍醐味は何と言っても人間関係を良くしていくための具体的なアドバイスが明確に描かれていることです。しかも、それが誰にでもすぐに実践可能な方法なので即効性があるのです。使い方としてはまず身につけたい知識を本書で学び、実際に使ってみる。そしてもう一度本書に戻ってきて理解や実践の仕方が合っていたかを確認してみる。
この「実際に使ってみる」ということと「復習をする」ということが大きなポイントかなと個人的には思います。
実際に家族や友人、職場の同僚や取引先などに対して使ってみてうまくいったこととうまくいかなかったことを記録しておく。そして良かったことは継続し、うまくいかなかったことは改善してみる。
この反復作業の中に大きな学びがあると思います。
ちなみに私は通勤途中の車や電車の中でオーディオブック版の「一瞬でYESを引き出す心理戦略」を通常よりも速いスピードで聞きながら反復学習しています。
続編の「男女脳戦略。-男にはデータを、女にはイメージを売れ」を合わせて読んでみることも理解を深めるためにはかなり効果的です。
男女脳戦略のオーディオブックはこちら↓
各項目についての簡単な感想 第1章 あなたはもっと評価されるべき。今こそ仕事にメンタリズムを
メンタリズムの基礎となるポイントが紹介されています。それらは大きく次の4つに分けられるとされています①観察する
メンタリズムで相手の心理状態を知るために最も大切なのが観察だそうです。
観察といってもその対象は様々です。例えば相手の表情(目線や口の動きなど)、体の動き(姿勢や仕草など)、行っていること(よく使う言葉や声のトーンなど)、また相手の織っているものや身につけているものも含まれます。
メンタリストがいかに人を観察することを大事にしているかがわかります。相手の表情や言動、反応を細かく観察しながらそれらの情報を組み合わせて心を読んでいくことがメンタリズムにとって非常に重要ということです。
簡単そうに聞こえますが、いざ人の立場に立ってみようと考えると実は全然その人のことが観察できてなかった、、なんてことがよくありますね。
腕時計の例を出して、普段見慣れているにも関わらずその絵を正確に書ける人は意外に少ないというエピソードがありました。
著者曰く「観察とは、見ている回数ではなく、意識してみているかどうか」ということです。
他者理解の第一歩は相手をよく観察することなのですね。
他にも表情の読み方や持ち物をどのように観察していくかということについていくつもポイントが紹介されています。
②分析する
観察だけでなく、分析しなければ折角の観察も意味がないとのことです。
心の中身が素通しに見えているわけではありません。メンタリストは超能力者ではないので、心の中までは見えません。
でも「心から出てくるもの」は見えます。だからそれを見て、分析して、投げ返して、戻ってくる反応を見る」
それらの一連の作業の中で、この人はこういう考え方なのではないか、こんな思考を持っているのではないかなどと推測していくわけです。
この「分析」を「作業」と言い切ってしまうところがメンタリストらしいですね(笑)
相手の会話、持ち物、体の距離などでどのように相手のことを分析していくのか事例を交えて解説されています。
③信頼させる
相手を理解して信頼を勝ち取るためには「信頼させる」ことが必要だと説かれています。
具体的には、自分のことを話して自己開示した方が信頼してもらえやすいとのことです。
先にこちらが自分のことを話すと、相手は「こちらも話さなきゃ、何だか悪いな」と思い始め、相手も個人的なことを話し始めるうちに、相手を信頼しているのだという心理が生まれるとのことです。心理学の用語で「認知的不協和」というそうです。
相手の潜在意識に働きかける「マッチング」という技術も紹介されています。相手の動作に合わせる「マッチング」をしてみるだけでもコミュニケーションを円滑にできるかもしれませんね。
自己開示とマッチング、是非習得したいですね。
④誘導する
誘導というといよいよテレビで見るDaiGoさんのパフォーマンスのようなイメージになってきますね。しかしここでも大げさなことではなく日常的な事例が多く紹介されています。
暑いなと言ってシャツの袖をまくると相手の中には「エアコンをつけましょうか」とエアコンをつけてくれる人もいる、というような例です。
直接的な命令や依頼ではなく、こちらがして欲しい行動を相手に自発的にしてもらうための「暗示」のスキルがいくつか紹介されています。
会話をしながら特定の言葉のときだけ声の大きさを変えてみることや企画書の中で特定の言葉を多用したり表現を変えて繰り返すことなどが紹介されています。
第2章 手ごわい相手の「YES」を引き出す心理戦略
この章ではビジネスの現場で使えるテクニックがいくつも紹介されています。・いかにして相手との心の距離を縮めるか(商談前に相手に迎えに来てもらう。または自分から迎えに行く)
・自己開示の有効性について
・失敗やデメリットを成功へつなげる方法
・名刺交換での相手の心の読み方
・握手での相手の心理状態の読み方
・人間関係での主導権の握り方
・相手が「YES」と言いやすい時間帯
・渡る世間は鬼ばかりで使われていた高度な心理戦略
・「相手の言葉」を盗んでプレゼンを通す方法
・企画書を通すための具体的技術
などなど、ここで書かれている技術をまずは少しずつからでも実践し、精度を磨いていくだけでも相当仕事の成果を上げれるんじゃないかなというものばかりです。
第3章 あなたから「また買いたい!」と思わせる心理戦略
ここでは主に販売員の人に向けて具体的なアドバイスが書かれています。「買う人」、「買わない人」の見分け方。圧倒的に売れている販売員の「立ち方」やお客様への「声かけ」のタイミングなどからどのようにセールスをしていくのかまで。
価格などの中間を選びやすい「ゴルディロックス効果」についての説明も非常に納得のいくものです。
私は服屋で買い物をしている時に早い段階で販売員さんから声をかけられるのは好きではないので、本書で書かれていることを実践してくれる会社やお店が増えれば買う側としてもより楽しんで買い物ができると思いました(笑)
第4章 人間関係のストレスをなくす心理戦略
相手の表情から出てくる反応が「嫌悪」なのか単なる「驚き」なのかを見分けるポイントが紹介されています。他にも、
・怒りやストレスをコントロールする方法
・上司と仲良くなるにはどうしたらいいのか
・そもそも「最高の上司」とはどんな人なのか
・苦手な人をなくすために相手のいいところを探す方法
・あがり症を克服するための緊張撃退トレーニング
・ビジネスアイデアを出すための電話帳の使い方
・相手の心をつかむメールの書き方
など、基本的な対人関係を良くしていくための方法が紹介されています。
個人的に特にためになったのは怒りを感じている時に問題となっていることを一旦紙に書き出すということと相手のいいところを3つ探す、ということでした。
第5章 ミスを取り戻すどころか、チャンスに変えてしまう心理戦略
この本の中で私にとって一番役に立ちそうなのが「謝罪の方法」の部分でした。・ミスを過小報告するのではなく正直に報告し、大げさに謝罪する
・クレーマーのへも相手の求めている以上に謝る(但し相手がお金を取ろうと思っている場合は例外)
・怒り鎮めるためのメール、電話、直接対面の使い方
・謝罪で逆に評価を上げる方法
・電話でもジェスチャー付きで謝罪する
・失敗の利用の仕方
・自分を信じるより「自分がやってきたこと」を信じる
ビジネスをしていると多かれ少なかれ謝罪が必要な場面は出てくると思います。そしてそうした場面はどう対応するかによって結果に天と地ほどの差が出る局面であったりもします。
謝罪が必要な場面は突然出てくることが多いですので、いざという時にしっかり対応できるよう普段から意識しておきたいものです。
私は「大げさに謝る」というのをやってみたのですが効果は絶大でした笑
オーディオブックはこちら↓
終わりに
本当に本書には実際に仕事やプライベートで役に立つテクニックが満載でした。「テクニック」と言ってしまうとドライな感じもしますが、メンタリズムの基本は「観察」にありますので、これらのテクニックを実際に使ってみることによって、より他の人への関心が高まることになると思います。
私は実際に試してみて、それまでの自分がいかに他人に関心を持っていなかったかということに気がつきました笑。
単なるテクニックではなく、その先には本質的な人間関係がより豊かになっていくという結果が得られると思います。
是非この本をそのように使ってみて下さい。
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