この記事では、

1.『幸せになる勇気』の醍醐味
2. 多くの人はアドラー心理学を誤解している
3. どんな人に読んでもらいたいか
4. 書籍各項目についての簡単な感想
5. アドラー心理学の真髄と実践

について書いていきます。

なお管理人は『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』、『アドラー心理学入門』を書籍で読み、またオーディオブックで30回ほど聴き、アドラー心理学を実践しようとしている者であることを申し添えます。

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書籍『幸せになる勇気』の醍醐味

『幸せになる勇気』は大べストセラーとなった『嫌われる勇気』の続編です。前作の『嫌われる勇気』ではアドラー心理学の全体像が明らかにされましたが、今作の『幸せになる勇気』ではそれをどうやって実践していくのかというより実践に即した内容になっています。

今作も前作に引き続き「青年」と「哲人」の対話形式で物語が進められていきます。2013年の「嫌われる勇気」の時にアドラー心理学に触れ、アドラーの思想を実践しようと生きた青年が3年の時を経て、実践する中でぶち当たった悩みや不満を抱え哲人の書斎を再訪したところから物語が始まります。

多くの人はアドラー心理学を誤解している

ここが物語のスタートです。一般的にアドラー心理学は「理解は容易であるが実践が難しい」と言われています。そして、『嫌われる勇気』を読んで「課題の分離」、「褒めもしない、しかりもしない教育」などの考え方に触れ「心が軽くなった」というような感想を持つ人の多くはアドラ−心理学を誤解しているというのです。アドラー心理学が提唱している人生の目標、「自立していること」、「社会と調和して暮らせること」、そしてその行動を支える心理面の目標「自分は能力があるという意識」、「人々は自分の仲間であるという意識」、さらにはアドラーが掲げる最大の理想である「共同体感覚」を実現するのは実はとんでも無く難しく厳しい、しかしその先にしか幸せはない。生き方を選ぶ覚悟をしなさいというのが本書の大きなメッセージだと思います。

どんな人に読んでもらいたいか

どんな人に読んでもらいたいか、を考えると結論としては「全ての人に読んでもらいたいという結論に行き着きます。特に子育てや教育に関わる人、社会で人を指導する立場にある人、さらには自ら主体的に生きていきたいと考えている人、人生の夢や目標などを見つけられずに悩んでいる人、人間関係がうまくいかず悩んでいる人など、幅広い立場の人に役に立つ内容となっています。

個人的には世の中の人全員がこの『幸せになる勇気』を読んでこの内容の通りの生き方をすればかなり世の中が変わるのではないかと思います。本書では大きく二つに分けると、子育てや教育について書かれている部分と教育を超えた生き方そのものについて書かれている部分があります。受験、恋愛、結婚、仕事、家庭全てについて参考になるヒントが散りばめられています。

実際に私はこの本の『愛し、自立し、人生を選べ』という言葉で転職と結婚を決意しました。

『嫌われる勇気』がアドラー心理学の全体像を描いた地図であるとするならば『幸せになる勇気』はより具体的にアドラー心理学を実践するためのコンパスの役割を果たします。まだ読まれていない方は是非読んでみて下さい。

書籍各項目についての簡単な感想

悪いあの人とかわいそうなわたし
「三角柱」の話は新鮮で大きな気づきがありました。カウンセリングに来る人の話を要約すれば、大体の人の話が「かわいそうなわたし」と「悪いあの人」の話になっているとのことです。

哲学と宗教の違いについて
アドラー心理学を真剣に実践しようとするときにぶつかる疑問です。哲学と宗教の違いについて非常に上手く説明されています。主体的に学び続けることと宗教がどう違うのか、これほど納得いく説明には出会ったことがありません。

教育の目標、人生の目標は自立である
『嫌われる勇気』よりもより踏み込んでアドラー心理学の根幹について議論されています。アドラーの掲げる人生の目標「自立していること、社会と調和して暮らせること」と教育の目標が一直線上にあることがわかります。アドラーの掲げる「自立」に向けて、どのように援助していくのか、その心構えが具体的に書かれています。

尊敬とは何か
ここではアドラーだけでなく社会心理学者であるエーリッヒ・フロムの思想にも触れられています。教育現場で少年少女達との向き合い方に悩む青年に「尊敬から始めよ」との哲人からのアドバイスがあります。

共感とは何か
一般的に共感と言われる、他の人の意見に賛同することなどは単なる同調であり、共感とはその人の目で見、その人の耳で聴き、その人の心で感じることが共感であると説いています。

問題行動の発展五段階説
ここも『幸せになる勇気』のハイライトの一つです。人の問題行動がどのように発展していくのかについて説かれています。本書を読んで最も気づきを得た項目です。アドラー心理学では承認欲求を否定しますが、承認欲求がなぜ危険なのかが詳細に記されています。

褒めることが競争を生む
アドラー心理学では「褒める子育て」も、「叱る子育て」も否定します。多くの人が知りたいのが、「ではどのような教育がいいのか」ということではないでしょうか。褒めることや叱ることにどのようなリスクがあるのか、どのような教育方針を掲げればいいのかが示されています。アドラー流の「横の関係」が提唱されています。これが会社で実現されれば大分働きやすい会社になると思うのですが。。

普通であることの勇気
多くの人が「特別な私」であろうとします。しかし、私たちは誰からも尊敬されるわけではありません。特別であることに価値を置いて生きていれば、私のことを特別と認めてくれない人が現れればたちまち心を折られることになります。個性とは相対的なものではなく絶対的なものである。他者との比較の中にあなたの個性があるのではないということが述べられています。

人生の主語を切り換えよ。自立とは「わたし」からの脱却である。
物語が佳境に入ってきたところで出てくる最も大きなメッセージです。アドラーは「共同体感覚」という理想を掲げていますが、「自分」を中心に生きる生き方から「私たち」を中心に生きる生き方に切り替え、そこからその範囲をどんどん広げていけばいい、という考え方が記されています。

人は愛することを恐れている
ここもアドラーだけでなく、エーリッヒフロムの思想が紹介されています。人は表面的には愛されないことを恐れているが根本的なところでは愛することを恐れている、とのことです。

愛とは決断である
哲人は人生で最大の選択は「愛」であると説きます。そして、エーリッヒフロムの「誰かを愛するということはたんなる激しい感情ではない。それは決意であり、約束である」という言葉を紹介しています。幸せになることは単に楽になることではありません。単に楽になりたいという理由だけで恋愛や結婚をしようとする人は束の間の快楽を得ることはあっても永い幸せを手に入れることはないのかもしれません。

シンプルであり続けること
人生はシンプルであるが、シンプルであり続けることは難しいと説いています。一歩を踏み出したとしても、その先には困難んがあり、何気ない日々が人生の試練となる。本当に試されるのは歩み続ける勇気だと説かれています。


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アドラー心理学の真髄と実践

『幸せになる勇気』でここまでアドラーの思想を掘り下げることができるとは、『嫌われる勇気』を読んだ時には想像できませんでした。アドラー心理学というと『嫌われる勇気』が真っ先に取り上げられますが、私は『幸せになる勇気』を読まずしてアドラー心理学の根幹は理解できないと思うに至りました。

私はこの本を何回も読み返し転職と結婚を決めました。もちろん決断をしただけでは十分ではありませんが。

誰も生きられる時間には限りがあります。限られた時間を後悔なく過ごせるよう選択を間違えずに生きていきたいと思います。

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